人工芝がカビる理由は?カビさせないための対策もご紹介

人工芝の導入を検討されている方にたびたび聞かれるのが
「人工芝を敷くとカビが生えるのか」ということです。
人工芝は水はけが悪いというイメージがあるため、人工芝の表面や裏側がいつまでもビタビタに濡れていて、そこにカビが発生してしまうことを懸念されているようです。
人工芝を施工すると本当にカビが生えやすくなってしまうのでしょうか。
今回は人工芝とカビの気になる関係についてお話ししていきます。
このページの目次
人工芝がカビるって本当?

カビが生えてしまった人工芝

人工芝を敷いたらカビが発生するというわけではありません。
基本的には人工芝は水はけがいいように設計されています。
しかし、粗悪な人工芝を使っていたり、
人工芝が置かれている環境によってはカビが生えてしまうこともあります。
どんな環境だとカビが生えてしまうのかを実際のケースと共に見ていきましょう。
実際にカビた人の体験談
こちらのケースはベランダに人工芝を設置していたAさんの体験談です。
Aさんはベランダ一面に人工芝を敷き、その上にいくつか
プランターなどを置いて家庭菜園を楽しんでいました。
ある時、プランターが倒れてしまって土がこぼれていたため、掃除をするためにプランターを移動させたらプランターが置かれていた場所辺りが白っぽく変色していることが判明。
「なんだろう?」と思ってよく見たら、プランターが置かれていた場所辺りが全体的にうっすらと白くなっていてどうやらカビが生えてしまっていたという体験をされたそうです。
Aさんはなぜカビを生やしてしまったのか
今回のケースはプランターに水やりをしたものがうまく排水していけず、
長期間人工芝の上に留まっていたことが原因と考えられます。
このように、人工芝の上に物が置かれていて、そこから水が絶えず流れてくるような状況で、日光も当たらないとなるとカビてしまうのも納得できますよね。
とはいえ、人工芝の上では家庭菜園を楽しめないわけではありません。
人工芝の上にプランターを設置したい場合は、マメに置く場所を変えて風通しを良くしたり、すのこを置いてその上にプランターを置くようにするとカビの発生を防ぐことができるでしょう。
人工芝を敷くとカビが発生する理由は?
他にも人工芝にカビが生えてしまう要因となるような事例を見ていきましょう。
水はけが悪くなる
人工芝にカビが発生する要因の1位はやはり水はけでしょう。
人工芝の表面や裏側に長く水分が留まるような状況ならカビが生えやすくなります。
ただ、人工芝=水はけが悪いというわけではなく、
選ぶ人工芝や設置されている環境に左右されることが多いです。
カビを発生させないためには、人工芝の水はけをよくすることがポイントと覚えておくといいと思います。
表面に付着したゴミやホコリから発生する
カビは人工芝自体に発生するだけでなく、
人工芝に付着していたゴミやホコリから発生するケースもあります。
人工芝にゴミやホコリがあると、カビの原因となるだけでなく、排水穴に詰まってしまうと水はけ自体がうまくできなくなってしまうので、ゴミやホコリが付着しているのに気付いたら小まめに拾って捨てるようにしましょう。
梅雨でじめじめするから
梅雨の時期は雨が多く、常に人工芝の表面が濡れているということも珍しくありません。
お庭に設置した人工芝なら、表面が濡れていても雨水が地面へと抜けていくので比較的早く人工芝の表面はサラサラになりますが、問題となるのはベランダに施工されている場合です。
ベランダの場合、下がコンクリートなので土が水を吸い取ってはくれません。
そのため特に梅雨のように人工芝が常に濡れているような時期は
気を付けないとカビが発生しやすくなります。
人工芝の原料にも原因
人工芝に使われている原料でもカビやすさは変わってきます。
人工芝には抗菌効果のあるものがあるのもご存知ですか?
抗菌効果がある人工芝を選んだ方が、カビの発生を防ぐことが期待できます。
人工芝を選ぶ際は、バージン原料で抗菌効果のある製品を選ぶのがおすすめです。
カビが発生しやすい条件は?
人工芝だけに限らずですが、カビが発生しやすい条件というのがあります。
先ほどの「梅雨のじめじめした感じ」というのもその1つですよね。
カビの発生しやすい条件とはどのようなものが挙げられるのか見ていきましょう。
20~30度の温度
カビは0~40℃あれば生育が可能です。
カビの種類によってはなんと0℃以下でも生育するものまであります。
それでも、やはり一般的にカビが繁殖しやすい温度は20~30℃と言われています。
70%以上の湿度
カビは高温多湿を好むことで知られています。
カビの菌は60%を超えたところから活動が始まり、
80%を超えると急激に繁殖が始まります。
梅雨の時期の湿度は6月は78%程度、7月は80%にまで上がると言われているので、
カビの活動に持ってこいの環境となってしまいます。
ゴミやホコリ、皮脂などのカビにとっての栄養素
ゴミやホコリなどが付着したまま放っておくとカビの発生の原因となります。
私たちの皮脂などもカビにとっては栄養素となってしまうので、
カビが生えやすい時期は小まめに掃除機で人工芝の表面を掃除してあげるといいでしょう。
日当たりが悪いところ
日光が当たらないとじめじめした状態が長く続いてしまいます。
人工芝にカビを発生させてしまったAさんのケースも日当たりが悪い状態が続いているのが原因でしたよね。
濡れているのに、なかなか日光が当たらず、
じめじめした状態が続くとカビが発生しやすくなってしまいます。
風通しが悪いところ
日当たりが悪いのと同様に、風通しが悪いところもじめじめとしてしまいがちです。
風通しが悪いと湿度が上がってしまうため、カビにとって繁殖しやすい空間と言えるでしょう。
20mm以下の製品
カビを避けたい場合、芝葉の長さが20mm以下の短い製品を選ぶのがおすすめです。
芝の長さが長くなるほど、湿気や水は溜まりやすくなるので、水はけ対策として芝葉が短めのタイプのものを選ぶとカビが生えにくくなります。
芝葉の長さが短いと、通気性に優れるだけでなく、汚れも溜まりにくいのでメンテナンスもしやすくなるのがメリットです。
しかし、いくら芝葉の長さが短くても、人工芝の裏側のコーティングがSBRラテックス(ゴム)だと水抜きの穴からしか排水できません。
その場合、排水穴が小さかったり、少なかったり、穴開け不良でしっかり開けてなかったりすると人工芝上に水が溜まったままになり、そこがまた日陰だったりするとカビの原因になるので注意が必要です。
現に、当社でも20mm以下の製品で真っ黒にカビが生えているのをいくつも見たことがあります。
人工芝にカビが生えないための対策は?

人工芝自体がカビが生えやすいというわけではないとしても、
せっかく設置した人工芝が万一カビてしまったら嫌ですよね。
そこで、人工芝にカビが生えないための対策方法をまとめていこうと思います。
人工芝を敷く場所の水はけを良くする
人工芝をカビさせないためには水はけの良さが不可欠です。
ベランダなどには傾斜がつけられ、雨水が自然に排水されていくようになっていますが、
勾配が緩いとうまく排水できない場合もあります。
そういった場合は、人工芝の下に両面テープを敷いて
排水の邪魔をしていないかなどを確認してみてください。
整地して地面のでこぼこをなくす
整地が甘くて地面がでこぼこしてしまっている場合、窪み部分に雨水が溜まってしまうことがあります。窪んだところに水が溜まると引いていくのに時間もかかってしまうので、長く水に晒されてしまうこととになり、カビが生えやすくなります。
地面がでこぼこしていることに気付いたら、再度整地作業をして整えるのと改善に繋がるでしょう。
防草シートを張る
雑草対策として張る防草シートもカビ対策になります。
雑草が増えてくると、その場所に湿気が溜まってカビが生えやすくなるからです。
水はけのいい防草シートの方がより効果的なので、
透水性のある高密度不織布のものを選ぶのがおすすめです。
ゴミやホコリをすぐに取り除く
基本的には1度施工したらメンテナンスフリーの人工芝ですが、
ゴミやホコリが落ちているのに気付いたらすぐに取り除くようにしていきましょう。
カビの発生を防ぐだけでなく、排水穴が詰まるのも予防できます。
カビが生えにくい人工芝は?

では、カビが生えにくい人工芝はどのように選べばいいのでしょうか。
人工芝の選び方のポイントもご紹介していきます。
排水性が高い人工芝
カビの予防には排水性の良さが非常に重要です。
排水穴が充分開けられているか、排水穴の大きさが小さ過ぎないかなどを確認しましょう。また、裏側のコーティングがSBRラテックス(ゴム製)の製品よりポリウレタンコーティングの製品を選ぶと安心です。
できたら施工前にサンプルを触って、排水の良さを確認しておくのがおすすめです。
また、当社は排水穴ではなく、人工芝全面で排水できるDrainageProを開発しました。
DrainageProは、人工芝の面全体で排水が可能なので、これまでの人工芝の施工に欠かせなかった防草シートも不要になっています。
つなぎ目を多くする
カビ対策を第一優先にしたいのであれば、つなぎ目の多いジョイントマットタイプの人工芝がおすすめです。
ジョイントマットタイプの人工芝は裏側がすのこ状になっているので、
水はけがとても良くなっています。
ただ、見た目がリアル感が損なわれるなどのデメリットもあるので、
庭に施工するというよりは水はけの悪いベランダなどに設置するのに向いているでしょう。
防カビ仕様の人工芝を選ぶ
人工芝には撥水性の良い防カビ加工がされているものもあります。
防カビ仕様がされているから必ずカビが生えないというわけではありませんが、
カビが生えるリスクを大幅に低減できることが期待できます。
当社の人工芝は、防カビ・抗菌・防臭・防炎・静電気防止・テカリ防止の機能が付いています。
高機能となっているので、使いやすさもバッチリです。
人工芝の製造を確認する
人工芝を購入する際に、販売店に人工芝の原料を確認することも大切です。
バージン原料で製造されているか、抗菌防カビ加工はしてあるかなどを確かめておきましょう。
また、問い合わせをすることで安心して購入できるお店かどうかも確認できます。
スムーズに答えてくれるかどうかでも、どのようなスタンスのお店なのかが分かるでしょう。
ベランダなどのコンクリートの上ではカビが生えやすい?
庭よりもベランダの方が排水性が悪いということを当記事でもお話しして参りました。
実際に、人工芝にカビが発生してしまったケースのほとんどが
ベランダに人工芝を設置している場合となっています。
なぜ、ベランダに人工芝を設置するとカビが生えやすくなってしまうのか
もう1度繰り返し確認をしておきましょう。
コンクリートは排水性が悪い
コンクリートは土のように水分を吸収してくれません。
吸収する力がないので、その分傾斜などで流していくことになります。
通常、ベランダなどには傾斜が付けられていて排水ができるようになっていますが、
土よりは排水性がどうしても悪くなってしまいます。
人工芝にカビが生えるのではなくコンクリートにカビが生える
カビが生えた部分をよく見てみると、人工芝ではなく
人工芝と面している部分のコンクリートにカビが生えていることがあります。
こちらも要因はずっとその部分が濡れていることでじめじめとしてしまったところに付着しているホコリなどが餌となってカビが発生してしまうことになります。
ベランダに人工芝を敷く際の注意点
庭よりはカビが生えやすくなるベランダに人工芝を設置する場合の注意点を見ていきましょう。
排水性を高める
カビの発生を防ぐには排水性を高めることが大切です。
- 人工芝を設置する時に裏に両面テープを貼らない
- ジョイントマットタイプの人工芝を使う
- DrainageProのような排水機能の高い人工芝を使う
などの対策を取ってカビの発生を防ぎましょう。
人工芝の下にすのこなどを敷く
人工芝の下にすのこを敷くのも1つの対策方法です。
木のすのこを敷くとガタついてしまうかもしれませんが、ジョイントマットタイプのような裏がすのこ状態になっている人工芝なら違和感もなくお使い頂けます。
当社の人工芝も、排水性を高めるためにプラスチックでメッシュ状になっている製品があります。
日当たりが悪くジメジメしているベランダにおすすめの人工芝です。
勾配をつける
ベランダの床は、1/50以上の勾配をつけなければならないと性能保証住宅設計施工基準で定められています。
そのため、通常は問題なく排水していけるはずですが、障害物などがあって排水が困難になっている場合もあるので、設置状況などを今一度確認してみましょう。
しっかりと対策をすれば人工芝にカビが生えるのを防げる!
人工芝を設置するとカビが生えやすくなるというのは間違いであるとお分かり頂けたのではないでしょうか。
人工芝があるからカビてしまうのではなく、設置されている状況に左右されることになります。
是非当記事でご紹介したポイントなどを参考に、
カビとは無縁な快適な人工芝のある暮らしを楽しんでいきましょう。